第178回 IEC 研究会

日時 : 2004年11月14日(日)
     13:41〜17:46

場所 : 関西学院大学大阪梅田キャンパスA会議室
     大阪市北区茶屋町19-19
     アプローズタワー14階
     電話 : 06-6485-5611
     http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/

出席 : 石川, 野部, 新田, 小谷, 松下, 中條, 中西, 河野, 河俣, 高橋, 西本, 中村, 田中, 工藤, 正木, 西野

見学 : 森本太一郎(仏教大学), 牧田(関西学院大学大学院文学研究科、紹介者:中條先生)
, 荒木俊輔(関西学院大学大学院), 佐藤等史(関西学院大学大学院)

文責 : 石川高行 (大阪国際大学)

■■報告など

■JSiSE(教育システム情報学会) 第6回 e-learning 技術特別委員シンポジューム
2004年11月8日
産業能率大学 代官山 campus

■ゲーム学会が大阪国際大学で開催される
2004年11月13日
http://www.dmic.org/game/topics/generalmeetings/2004/index.html
・江見先生、発表
・発表は全部で20件くらい
・ゲームのコンペ、レベルが高かった
・特化している分、専門学校は強い
・デジタルアーカイブ、ゲームの場合は体験版を使ってアーカイブの可能性あり

■情報処理教育研究会 (毎年、文部科学省が主催)
2004年11月26日〜27日
名古屋大学

■Research Fair 2004
2004年12月3日〜4日
http://www.r-fair.info/
関西学院大学 三田 campus
・学生と途上国に派遣してデジタル格差を解消するプログラムなどの発表がある

■JADIE 準備打ち合わせ (千里金蘭大学)
2004年12月3日 (金曜) 17時〜19時
日本情報教育開発協議会 (JADIE) の準備に協力いただける方、高橋先生へ mail で連絡を
第1回全国大会 (2005年6月25日) は千里金蘭大学で開催
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/~takahasi/JADIE/

■MHT に関する symposium
2004年11月26日 (金曜) 15:10〜17:30
総合教育研究室 (関西学院)
講演会「MHT (Media Handling Tools) を通して見えるもの」
無料、事前申し込みなし
20件発表→デジタル・アーカイブ

■情報倫理 group
前回の打ち合わせは中止
著者になってくれる方は mail で高橋先生に連絡を
編集・出版会議 2004年12月18日16時〜18時 (関学ハブスクエア大阪)
1月末には第1校の予定
ML 投稿「[iec-ken 2263] 情報倫理G(出版編集会議)」
Message-id: <20041114160340.8342C1DF000EBE45@sproxy32>

■翻訳 project
10人前後で取り組み中
現在の進捗は第2章まで

■西野和典他『プロジェクトスタディ 情報』実習で学ぶ情報 A・B・C (実教出版,
2004年)
ISBM4-407-30622-X
定価650円
質問「大学で使える可能性はあるのか」
回答「文系だったら可能性はあります」

■西端律子, 林英夫, 山上通惠『メディアリテラシー』(実教出版, 2004年)
ISBN4-407-30625-4
定価400円 (本体381円)

■高橋参吉, 阿濱茂樹, 金田忠裕, 下倉雅行『コンピュータのしくみ』(実教出版,
2004年)
ISBN4-407-30626-2
定価480円 (本体457円)

■独立行政法人 情報処理推進機構『情報セキュリティ読本』(実教出版, 2004年)
ISBN4-407-30694-7
定価500円 (本体476円)

■情報教育研究会編著『情報社会で役立つ 情報教育の知恵』(パワー社, 1997年) 配布 


■■発表「学校空間と電子メディア ―メディア論の視点から―」松下さん (京大院生) 


質問「情報化社会という言葉、英語で対応する言葉はあるのか」
回答「Information Society があたるが、日本語から翻訳された言葉」
質問「モダンは産業革命から (の社会)、と解釈していいのか」
回答「産業革命から、と考えていい」
意見「文字文化・社会 + 出版資本主義 = 近代国民国家の成立 の部分をもう少し説明してほしい」
説明「印刷出版主義で同じものを印刷することによって、国語 (ドイツ語、フランス語など) が統一されていく (方言がなくなる)…標準化が進む」
質問「教育制度は国家戦略として作られるのか近代国家になった結果としてできたのか」 

回答「教育制度でみると国家によって整備された面が強い」
質問「商業出版と人文主義は (???書き取りできず)」
意見「近代以前はエリート教育しかなかった、その後、一般大衆を教育しないと機会などが扱えないので一般大衆教育が生まれ、literacy が考えられた、大学はエリート教育の流れなので、時間割な
どを自由にできる」
回答「今は初等・中等教育と高等教育との連続性が考えられているが、当時は、初等・中等教育と高等教育とは断絶されていた」
質問「展開でなく転回なのはなぜ?」
回答「パラダイム転換という意味」
質問「生涯学習・生涯教育という視点があると思うが、今は自己学習力の育成という視点が登場している点が特徴だと思われる」
回答「(???書き取りできず)」
質問「Europe 全体が失業問題と絡めて生涯学習としての情報教育が展開されている、それは近代的な要素も強いと思う」
回答「(???書き取りできず)」
質問「日本の教育は学年制を強調するが、(???書き取りできず)」
回答「寺子屋などは何年間かけて学んでも問題なかったが、学制によって『何年間でこれを学ばなくてはならない』ということが出てきた」
意見「その学年制が、生涯学習と対峙して、e-learning を阻害する要因と思われる」 

質問「(???書き取りできず)」
回答「学校教育は2次的な文字の文化を考えていかなくてはいけない、例えば学校制度の中で INTERNET をどのように活用するか、ということはあまり考えられていない、
virtual school の可能性などをもっと検討していかなくてはいけないと思う」
質問「図書館などは virtual school にどう組み込まれていくのか、具体的には紙の
media はどうなるのか」
回答「新しい media が登場したときには古い media は特化して生き残る、例えば
TV が登場して radio は特化して生き残った、情報教育を考えるときに、これまでの教科書や書籍など紙の media をどういう形で残すのか、ということを考えていかなくてはいけ
ない」
質問「例えば PC 上で実験ができるようになったら、実験室などはどうなるのか」
回答「そこでしか感じられないことを打ち出して残っていくのではないか」
質問「電子 media 資本主義に進むと (???書き取りできず)」
回答「(???書き取りできず)」
質問「鉛筆ができたときに(???書き取りできず)」
回答「例えば昔は裁判で『文字で書かれたものは実際に会話されたものではないから証拠能力を認めにくい』とされたこともあったが、今は逆に口頭のやりとりは裁判で証拠にならず文字が必要、このように media の位置づけが
変わっていく可能性があると思われる」
質問「(???書き取りできず)」
回答「声で授業が行われることによって一体感が生まれる、という面もある、例えばナチスドイツのラジオ放送など」
質問「物的環境ではなく人的環境の転換についてはどのように考えているか」
回答「教師そのものが media だと考えている、教師という media がどうなのか、ということが問題になる」
意見「情報教育の進展によって近代の学校教育が崩壊する可能性がある、情報教育を現在の (近代の) 教育の中に入れようとすると矛盾が出てくるが、それでも現時点では
学校教育の中で情報教育をしなくてはいけない、だから情報教育でいろいろな問題がおきる」
意見「9時から17時までの勤務時間はブルーカラーのもの、現在はホワイトカラーが増えてきているのに制度が変わらず会社がガタガタしてきている、年齢による昇進もどうよう、教育の問題と類似と言える」

■■発表 「CMC におけるフレーミングとその認知度の研究」佐藤先生 (関西学院大学) 


回覧 兵庫県・財団法人兵庫県人権啓発協会「人権に関する県民意識調査 調査結果報告書」(2004年3月)
質問「経験度に関して閲覧経験よりも書き込み経験の方が大きな要素ではないか」
回答「予備の予備調査では閲覧回数が0である人も少なくなかったため、書き込み経験については調査を省いた」
質問「書き込み1自体に問題がある可能性 (これ自体がフレーミングである可能性)
もあるのではないか」
回答「書き込み2の方がポイントが低い、実際には『フレーミングかどうか分からないので4を選んだ』と考えたと思われる回答もあった」
質問「日米比較というが、USA での調査はちょっと違うのではないか」
回答「USA での調査は PC 上で調べたもの、今回の日本での調査は紙で行ったもの」
質問「日本で携帯電話でやりとりするときは内容だけでなくて返事の早さなども関係する、PC 上でのやりとりを題材として調査したのとはまた違った結果が出てくるので
はないか」
回答「携帯と PC とで調査を分けようか、ということも検討したが、標本数が少なくて断念、今後皆さんが調査に協力してくれるなら標本数が増えてそれも可能に」
質問「おちょくりなどとフレーミングとはどう区別するか」
回答「いろいろ考え始めると、人権侵害の問題なども考えなければならず、(???書き取りできず)」
意見「紙で調査したため、最初から全てのやりとりが見えてしまった、BBS となるべく同じような環境をそろえ日常生活と同じ環境にしたら結果が違うかもしれない」
意見「この調査だと文章の認知の問題になるが、それと network 上の
communication の問題とは違うのではないか」
質問「実証研究なのか、評論家的な研究なのか、事例研究なのか」
回答「初期の頃は評論家的な研究もあったが、今はそうではない」
意見「先行研究があり、そのやり方を踏襲しているので、やり方として間違っているわけではないと思う」
意見「経験値として PC でのフレーミング受信と携帯電話でのフレーミング受信とを分けて回数を訊いた方がよかったのではないか」
意見「電車での会話だと『〜と思うよ』という言葉がつくが、書き込み言葉はまた変わってくるので、その違いも考えるべきだと思う」
意見「(上の意見に関する反論) しかし携帯電話で見知らぬ人とやりとりすることは
PC と比べて圧倒的に少ないのではないか」
発表者意見「今、やっと PC と携帯電話とでの mail や掲示板の利用 style の違いを調べ始めたばかり」
意見「携帯の communication は閉鎖性が特徴、携帯電話が普及してくるとその傾向が強まっているように思う」
発表者説明「もう1つやっている研究『科学技術未来予測シナリオ』が関連しているので紹介させてほしい」

■■発表 「関西発のe-ラーニングシステム」等 江見先生 (金沢工業大学)
ML 投稿「[iec-ken 2258] 江見本と数学のためのe-ラーニングシステム」
Message-ID: <200411110019.iAB0JFVn007212@pegasus.infor.kanazawa-it.ac.jp>

質問「配信しようとして時間枠を決めてやると型にはまってしまうのではないか、自分で録画したものは学生を相手にしたものと違ってくる」
回答「基本的に audience がいる状態で録画する予定」

■■報告 「E-Learn2004参加と米国eラーニング活用現場視察」
http://sole.law.osaka-u.ac.jp/~el2004/

■■次回

2004年12月12日 (研究会後に忘年会)
場所 : 関西学院大学大阪梅田キャンパス
時間 : 13:30〜17:00
忘年会場所などは後日連絡

2005年1月10日 (祝日・月曜)
場所 : 関西学院大学大阪梅田キャンパス

2005年2月は13日 (日曜) の予定