第182回IEC研究会 日時:2005年3月13日(日) 13:30〜17:00 場所:関学大阪梅田キャンパス 大阪市北区茶屋町19−19 アプローズタワー14階 電話:06−6485−5611 http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/ 司会:横山先生 書記:西本 出席者(敬称略):阿濱、田井(見学)、高橋、西本、大森、工藤、中村、 河野、中西、中條、荒木(見学)、横山、江見、石桁(早退) 届出による欠席者(敬称略):下倉、新田、坂本、野口、谷口、野部、 田中(規) 内容: 1.会務(諸会連絡・報告,情報回覧等) a)研究会等予定 ・情報技術標準化フォーラム「eラーニングのグローバルな動向 −政策, 技術 そして 応用−」 (早稲田大学) 3月14日(月) http://www.itscj.ipsj.or.jp/information/SC36-forum20050314.html ・JADIE 第1回全国大会(千里金蘭大学) 6月25日(土)10時〜17時 ※発表申し込み締め切り5月20日(論文締め切り5月27日) ※参加申し込み6月3日締め切り(詳細は下記URL) http://www.fest.or.jp/jadie/ ・JSiSE全国大会(金沢学院大学) 8月25日(木)〜27日(土) b)研究会報告 ・第19回学生によるコンピュ−タ利用研究発表会(追手門学院大学) 3月5日(土) 午後1時〜5時 全体の印象として学生の発表のレベルが上がっている 来年度は3月4日(土)の予定(京都?) ・大阪府私学教育情報化研究会 http://www.osaka-sigaku.net/ 春の研究発表大会(四條畷学園高等学校) 3月6日(日) 「学校の情報化と授業の情報化」 http://www.osaka-sigaku.net/circle/20050306/index.html ※回覧資料 研究会資料 両面印刷物もスキャンできるカラーイメージスキャナ(scan snap)パンフ レット Rubric Chart(教科「情報」の実習で使える評価支援ソフト)パンフレット c)回覧 ・石桁先生ご著書新刊紹介 『すぐに使える問題解決法入門』(日刊工業新聞社、2005年3月31日 発行予定、1680円)目次コピーを配布 ・『大震災10年と災害列島』出版記念講演・シンポジウム・文化の集い (4月24日(日)午後1時〜5時 神戸市勤労会館大ホール)告知チラシ 2.研究報告(自由枠 30分×3件) #1 ベトナム社会主義共和国の教育事情 阿濱 茂樹 先生(金沢大学) ・ハノイ、ホーチミンを訪問、現地写真スライドを交えて紹介。 ・5(小学校)4(基礎中学校)3(後期中学校)制(フランス流の教育制度、 小学生までが義務教育、社会主義国のため、幼稚園・保育園はよく整 備されている;生後8ヶ月から幼・保に入れる) ・私立幼稚園を見学(ここはドイツ流) ・小学校見学 警備が厳しい 教室の長机→1列フラットにひとつの机にできる仕掛けが 11時から1時までお昼寝の時間(現地習慣)がある PC1台につき児童生徒3名 PCはネットには接続されていない;寄せ集め風味 ベトナムでの最速はISDN 午前中に教科授業、午後にPC利用の授業や総合的授業 小規模な図書室であるが、司書教諭配置されている ・高校見学 生徒数の増加に対応するため午前4時間、午後4時間の2部授業 教室にホー・チ・ミンの写真が掲げられている PC教室は雑然としている(ホコリだらけ) 自作PC、最新XPマシン(Win2000が標準) ・街のネットカフェは子どもで盛況 ・ベトナムにも電気街 ・携帯電話は比較的普及 ※回覧資料 現地高校の情報教科書コピー(Windows3.1がまだ現役?) 現地で購入してきた情報や数学、英語の教科書(ベトナム語、英語半々) ・金沢大の学長奨励研究→大学3年生がRPG作成ツールを利用して情報 倫理学習RPGゲームを作成 ゲームで遊びながら情報倫理を学習 対象年齢小学生〜(検討中) Webで公開予定 #2 ノートパソコンの全学生への貸与の実施とその検証 河野 稔 先生(兵庫大学) (情報処理学会67回全国大会で発表) ・2003年度から学生へノートパソコンを無償貸与(期間:最大4年間) ・学生生活のスタイルを変えることが目的 e-learning促進、学生の自律性を促進する 開学当時からPCを購入することを学生に義務付けしてきた→あまり評 判はよくなかった ・貸与されたPCを学生はどのように活用しているのか? 貸与PC:携帯して登校することを想定、2kg、B5サイズノート、全学統一 機種、学校の環境に応じたある程度の設定済 配布と導入支援:情報系の授業を利用(別にガイダンスなどはない) 2003年度のみ別に特別講習会を実施(トラブル多発のため対処療法的) 例:液晶画面破損多発、ウイルス、Windows Updateの方法 少しでもPCを利用している授業をシラバス、アンケートで調査 例:ゼミ・セミナー、情報系科目、専門科目(掲示板で質疑応答、体力測 定データの管理) 全体では2割ほど(基礎科目を除けば3割程度にUP) ごく一部の教員にPC利用が集中している現状 ・学生にアンケート(7月、12月の2回)実施 入学前 9割近くが自宅にPCあり(その3割がノートPC;しかし自分専用 ノートPCは6%) 利用目的:大学の勉強(67.6%→78.5%)趣味や遊び(61.4%→55.8%) 利用頻度:大学以外での利用回数は7月より12月で増加;しかし、大学で の利用は低下 (学内LANにノートPCを接続できる場所が少ない、自宅に置いて学校に 持ってこない、ロッカーに置きっぱなし) 使用した感想(自由記述) 気に入った点:便利さ、軽い・小さい、持ち運びができる 不満な点:重い、使い方がわからない、(自宅で)ネットに接続できない 困った時の解決方法 →身近な人による手助け、自力が主で、情報科学センターが意外に少ない ・質問・コメント Q:卒業時どうするか? A:学校はリース、それをまた学生に貸与 4年経過した時点で学生から返却してもらう 保守・サポート通常1年保障+特別に期間延長 破損などトラブルに対処するための動産保険は4年間 Q:学生によるカスタマイズ(ソフトインストール、メモリ増設など)は? A:特に対応は決まっていない(何をしてもOK?) Q:ノートPC貸与が大学の実習機の減少につながるのではないか? A:将来的に、PC設置の実習室を減らして、その分持ち込みノートPCを接 続する教室に転換する方向になる可能性はある C:持ち込みノートPC利用=大学実習機にログインする経験がない →ログインの概念が形成されない? C:学内LANをより整備することが必要? C:学生個人のノートPCと実習機の混在による問題 (例:実習機とノートPCでメーラーが違う) C:センターが最後の駆け込み寺になっているのはかえってよいのでは? (本当に”重症”なケースのみを扱うという効率のよさ) FAQを作成すればよい;機種特有の問題/OSの問題の切り分けを Q:Officeアップグレード対応は? A:実習機と毎年のノートPCのバージョンに食い違いが起こらないよう、 サイトライセンス契約により統一している 今後の方針は未定で不安はある インストールはセンターにノートPCを持参させておこなう Q:故障・修理の頻度は? A:平均して月10件(全600台);しかし年度によって差は大きい C:小規模校だからできるのかもしれない;1度に多数を調達できるメーカー が限られる C:外で使う機会(趣味・遊び)が減少しているのは、学校から借りている PCという意識があるのではないか? Q:レポートをメールで提出というのはないのか? A:個別の授業である;全学的におこなっている訳ではない #3 数式タグMathMLを用いた掲示板システム 江見 圭司 先生(金沢工業大学) ・書籍―学習教材のデジタル化→ウェブページ ・ウェブベースのe-ラーニングの実用化 ・ウェブページでの数式の視認性が非常に悪い ・数理教育におけるウェブ教材の課題 HTMLが数式表現に対応していない(分数、根号などの数学特有の表記 ができない) ・新技術MathMLの採用 1998年4月にW3Cの勧告として公開 XMLの技術を用いている バージョン2.0が2001年2月に勧告 視認性、可能性高、再利用性 ・双方向性の課題 掲示板を用いた学習指導が効果をあげている (人間が介在する必要がある) 掲示板利用指導の問題点 ウェブ上に教科書、参考書が不足、指導に手間がかかる →オンライン教材KIT数学ナビゲーション(下記URL)の開発 工学分野において重要な数式を表示できる掲示板がない →数式表示対応掲示板の開発(江見研究室) ・KIT数学ナビゲーション http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/ (MathPlayerインストール要) コンテンツのみでなく、ノート(メモ)の書き込みができるように開発中 mathematicaとの連動可 web mathematicaは比較的少ない チャット・掲示板も設置 MathタグではなくGUI(WebEQ)、Texで数式入力も可 画像ファイルアップ機能あり ・問題点 利用者側:MathML対応のブラウザ(IE6.0+MathPlayer、NN7.0)が必要 作成者側:MathMLに対応したソフトが少ない(特に日本語対応) ・プレゼンテーションマークアップ:数式の表示を制御する要素 コンテントマークアップ:数式の数学的意味を示す要素 上記はHTMLとXMLとの関係と同様 ・テレビ会議システム 金沢工業大⇔大阪国際大で実験 2つのモニタ画面を使うことを前提 USBカメラ Flash Communication Server利用 3者以上の会議ができるシステムは少数 複数人でひとつの対象(例:特性要因図)を共有して同時に編集可 プロジェクト管理機能あり プロジェクトを進行させながら学習できるプロジェクト支援システム 5〜15人程度の小規模グループ対象 クライアント側:Webブラウザ、Flash Player サーバ側:Flash Communication ServerMX(FCSと略) ・質問・コメント Q:KIT数学ナビゲーション他大学から利用できるか A:MathPlayerインストールの問題をクリアすれば可能 C:数式をWebで利用できるのは大変有用;図形などもできればさらによい (図形→画像は現在でも利用可) C:画面を4分割してそれぞれの画面を数式、webカメラ・・・等表示できるよ うにできればよい C:学校により管理の厳しいケースがあるので8080ポートのみで通るような システムができればよいが 3.その他 横山先生から3月5日のIEC本編集会議のご報告 ※配布資料 情報教育に対する「私の主張」の一覧 IEC本編集会議の記録 詳細は[iec-ken 2360]IEC本の件(IEC事務局)を参照ください。 次回第183回研究会について ・4月10日(日)(関学大阪梅田キャンパス) グループ発表 第7G ※来年度午前10時半から開室(各部会などの利用に供すること可) ・5月8日(日)(関学大阪梅田キャンパス) 上記に関しては[iec-ken 2361]も参照ください。