第192回IEC議事録

参加者:中西(司会),江見,石井,中條,高橋,金田(書記),下倉,矢島,新田,秋山,角南,西本,工藤,河俣,野部,飯田,田中(秀),石川
届出欠席:横山,河野,野口,角宏美
日時:平成18年2月12日(日)13:30〜17:30
場所:関学大阪梅田キャンパス  大阪市北区茶屋町19−19 アプローズタワー14階 電話:06−6485−5611 http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/

1.諸会連絡(あった3件,これから6件)
1)高橋:1月28日(土)「私学IT活用セミナー」(東京)
・大学入試・・・早稲田大学現場からの話,事例報告(専修大学,千里金蘭大学,東京農工大),パネルディスカッション(高校現場から天良先生),100名ほど参加
・2月11日(土) Jsise関西支部若手の会「卵RUNフォーラム」千里金蘭大学
2)西本:3月16日〜18日,場所:同志社大学「日本構造計量学会チュートリアルセミナー」,統計,アンケート調査,データ分析
3)高橋:2月25日(土)情報教育セミナー,千里金蘭大学
・テレビ会議システムの実演,申込締切2月25日学習開発研究会のホームページから
4)高橋:3月11日(土)Jsise関西支部学生発表会,現在十数件
・申し込みあれば神戸高専 若林先生まで,原稿2月24日まで
5)高橋:第3回情報コミュニケーション学会全国大会2月256日,園田女子大学
・発表募集中
6)高橋:E-learningフォーラム2006,3月7日(火),東京電気通信大学
7)ゲーム学会全国大会,大阪経済大学,12月10日(土)
8)2006PCカンファレンス,申込今月中,立命館大学,8月3〜5日

2.回覧と新刊紹介
・雑誌「ドリコムアイ」冬号,日本ドリコム(中條)
・資料「初等・中等教育における情報教育の推進に向けての提言」JADIE(高橋)ゥプEB
・新刊「インターネットの光と影Ver.3」,1890円,北大路書房(高橋)
・新刊予定「最新モデル化とシミュレーション」,2月末発行,1680円,実教出版(高橋)
・雑誌「大学と学生」平成17年8月号日本学生支援機構(中條)

3.発表
1)江見先生「ゆとり教育のはじまりの証言〜小学校の算数の教科書から集合が消えた瞬間〜」
(資料:学習指導要領と生まれた年度の対応)
・小6のときにはじまる(1980年S55年)ゆとり教育
・6時間目週5回⇒2回
・塾に遅れなくなった(行きやすくなった)
・ゆとり前には集合が算数にあった
・実S41年〜S43年生まれは移行期間につき,学習せず
・力の5000題算数にも集合があった
・ベン図を黒板に書くという指導
・1981年中学校でゆとり教育はじまる
・英語が週4h⇒3h
・兄,姉がいる方は英語教育軽減をなげく
・補習塾がはやる
・理数系の削減は少なかったようである
・1982年高校でゆとり教育はじまる
・理科I,現代社会が必須
・数学I,代数・幾何,基礎解析,微分C確率・統計
・理解の軽減が特徴,ただし,「適正な量」になったとも言われている
・1994年高校 第2次ゆとり教育
・数学で単元選択方式
・情報教育の一部含まれる,コンピュータによる数学教育
・1997年に大学入学・・・学力低下元年
・昭和49年が18歳人口のピーク
・学生の数学力低下
・(1)数例を知らない,Σを知らない・・・学習指導要領で選択単元
・(2)ラジアン,三角関数の積和公式・和積公式を知らない・・・学習指導要領で数学Iでは教えない
・(3)指数法則がわからない・・・低学力の学生の問題,義務教育の範囲,本来は大学に来るべきではない学生
・時代の先端をいく工学基礎教育センター
・本学:夢考房,工学設計,数学・物理教育
・他の大学(情報系):順番が違う,数学・物理教育,夢考房,工学設計
・高校教員と大学教員の違い
・高校:教科指導(指導書がある),生徒指導
・大学:教育(教科書は存在せず),研究(学会活動,講演会など含む),学生指導,研究指導/就職指導
・指導書がないのに高校数学を教える必要がある・・・仕事は重労働
・知識は知っていても,学習指導要領は知らない・・・何を教えてはいけないのかを知らない
・江見先生の専門:CG,特に科学現象の可視化,Eラーニング,特に教授設計
・線形代数の話,既習,未習を誕生日を入力すればコンテンツが現れる
・高校数学リメディアル
・大学全入時代(2007年度)
・数学I,数学ABCの対応
・ビジュアルシリーズ,青シリーズ(昔の高校レベル)と赤シリーズ(従来の大学補習レベル)
・空間メディア数学の進め方,ノート提出,ノートチェックは小テスト実施中に行った.2週間1回の小テスト,4回解く,eラーニングの否定?単位を落とした学生は文句が言いにくい
・問題解決にむけて,アメリカの教科書は物理学は良いものが多いが,数学はよいものが見つからない
・コミュニケーションシステム・・・災害時の安否情報,全国の小中学校に普及させたい

2)高橋先生
<大学入試>
・情報A:6 情報B:1,情報C:1,選択可:7大学
・千里金蘭大学,情報社会学科のみ
・情報に興味のある学生
・社会的インパクト,センター入試はないけれど
・入試のうち,一般入試1月のみ
・情報A(200点,4択で40問,1問5点),2科目で120分
・情報Aの採択率普通科で75%以上
・志願者の情報履修科目:情報Cもかなり多い
・学習指導要領1)1問,2)21問,3)5問,4)13問,実習は×
・問題形式:現代社会に合わせる,配点は全て同じにするため,形式を工夫
・大問で9問,小問で40問,選択肢キーワード10問,選択肢文章10問,組合せ選択肢キーワード6問,穴埋め12問,その他2問
・構成:情報活用,情報科学,情報社会で分類
・試行試験結果,1年生10名希望者,情報技術基礎,最高点90点,最低点45点,平均59点,時間45分
・問題によって難易度差がある
<パネル資料>
・提言書のカリキュラム(高校)・・・情報総合:必履修1年,情報I(情報表現),情報(情報科学),情報(情報社会)
資料「数学と情報学における問題解決の違い」
・問題提起・・・数学の教員と情報学の教員とでは異なる
・検索条件・・・補集合はなにか?
資料「算数の指導における表計算ソフトの利用」
・算数+情報教育1「算数を中心とする情報教育の展開」横地清ほか,明治図書,1860円
・算数+情報教育2「低学年算数での情報教育」横地清ほか,明治図書,2060円
・プレゼンテーションソフトは,表現活動の道具に使っている
・表計算ソフト・・・問題解決活動に使えるのでは?
・情報モラルの教育に科学的な理解はいらないのか?
・4年生小数1桁,5年生で小数2桁
・電卓やコンピュータを活用する・・・桁設定をするのか?
・社会環境から教育していく必要がある
・急激な変化の中で本当に必要なものを学んでいくことが必要
・Technology Education・・・ツールとして教える,Word,Excel,PowerPoint
・小学校の先生の教材例・・・小数
・計ると数えるは別

3)矢島先生:情報数学科目実践報告,資料あり
・情報数学2001年〜現代社会学部
・京都女子大・・・基礎数学に名称変更
・他科目との関連,多次元量,関数,定量的
・量の体系,四則演算の意味,離散量と連続量,抽象化⇒具体化
・関数,表の正規化,引数と出力
・説明方法の比較,集合の要素の対応,入力から出力を導く機能
・三角関数・指数関数,定量的思考力,ものの変化を示すパラメータ
・微積分,微分(差分)による変化のしくみの追及,積分(和分)による変化の予測,数列を学習していないと理解が困難
・線形代数・多次元量,表のしくみ(正規化),表計算ソフトの関数,CG
・多次元量,ものの属性,ベクトル
・関数,数式で表現できるもの,できないもの
・因数分解ができない=数学ができない
・覚えるべき公式がなにか
・何をすると減点されるかが気になる
・変化量,割合,傾きが苦手
・未経験の変数名で混乱,xy以外はだめ・・・高校の検定がうからない
・因数分解,1次と2次方程式で解き方が違う
・1次:式変形
・2次:グラフとx軸の交点
・現象を表す式と方程式の違いで混乱
・出来ないと数学が出来ないと認識