IEC議事録 2008/11/09
文責:後藤

出席者:
西之園,中條,西本,小島,田中<秀>,梶木,
高橋<修>,矢島,石川,中村<州>,後藤

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諸連絡(事後)
・学士課程教育の構築に向けて [案内](中條)
・MDDロボットチャレンジ [参加報告](高橋<修>)

諸連絡(今後の連絡)
・情報教育研究集会2008 12/12(金)・13(土)(工藤)
・高校教員向け「情報」授業支援セミナー 11/15(土)(高橋<修>)
・甲南大学 附属高校の情報教育連合? 11/14(金)

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「協調自律学習のシンボリック設計法」 西之園晴夫
<<概要>>
・高等教育が当面している問題
 -エリート教育ではある程度の成果
 -マス教育への転換の不徹底「抽象化ができない大学生」
 -ユニバーサル化への展開への遅れ
・日常の学びと隔絶した教育機関
・ユビキタス情報社会における学び
(ユビキタスな社会をどのように設計・評価・組織するか?)
・活動中心の多人数授業(授業「教育方法学」の実践例の紹介:5〜7人のチーム活動) 
・学習の指導と支援(授業の進展にともなった自律の促進)
 -テーマ「仮想の学校を構想し,そこでの学習指導方法を開発せよ」
 -プロセス(個人調査→グループ討議→グループ発表→最終発表→報告書)
 「批判と批難の違い」(お互いの違いを議論することで価値観が出る)
 <<テキスト:ネットで検索>>
 チーム(役割が明確に定義):グループ(仲良しグループなど)
・学習者変容過程のイメージの変化
 初期段階:協調学習 後期段階:自律学習
・シンボリック設計法
 -経験した授業のイメージ(受けた授業・現在実施している授業→実現したい授業) 
 実現した授業について「メタファ」を用いる。
・授業設計のためのMACETO(マセット)モデル
  教師がいない教育の実現のために(教育サービス)
  経験を何度も行うことで理論付ける
・ヨーロッパの中等教育の民主化
・フランスの事例から見たわが国の教育
 -富裕層の有名大学指向・貧困層の諦め指向
 -学ぶ意欲のない学生
 -学生の過度の消費者意識
・ヨーロッパの高等教育が当面している問題
 -低所得者層への高等教育レベルの学習サービスの提供
・ジニ係数(所得格差の指標)
・ボローニャ大学
 アカデミックな大学とは別の位置づけ
・学生も評価に責任をもつ
・教育の無償化-日本では難しい


<<質疑応答>>
--質問(中條)--
学生に対してはどのようなシンボリック設計法のアンケートは行った?
--回答--
小中高の学校と授業と教師に対してのイメージを書かせた。
傾向(学校:良い印象 教師:様々 授業:悪い印象)
特に高校は悪い印象を持つ傾向がある。

--質問(梶木)--
日本とヨーロッパの学習に対するモチベーションの違いは?
--回答--
欧州の場合は,「食うため」に教育を学ぶ意識が強い。
職業教育によって,豊かな生活を得るため。
「職」を身につける意識が強い。一般教育が重用しされているものの,
職能資格取得の意識によって学んでいる。
日本は人間性教育が強いが,授業料が高い。
→では,金を持っている人のみが,人間性が高くなるのか?

--質問(石川)--
多人数に対するe-learningの意図は?
--回答--
従来の教師対学生数の比率でいうと,教師が大量に必要となる。
いかに学習支援のサービスを自動化するか,コストを軽減させるかということを
目的にしている。
デンマークは貧困家庭ほどインターネットの普及率が高い
(インターネットによる職業訓練を行うため)




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小島
IT投資ワークショップ [案内]
「IT投資マネジメント評価指針に関する調査研究報告書」
・IT投資評価の現状
・従来型のIT投資の評価の方法
(成熟度の違いによって評価検討プロセスが異なる)
・IT投資マネジメントガイドライン(JIPDEC)
 従来は個別のマネジメントのみ→経営戦略の中での位置づけを
・IT投資効果の分類
・IT投資効果の評価手法

<<補足>>
IT投資額が高い企業ほど,効果を得ているわけではない。
組織マネジメントなど企業風土などに関する指標が高い企業ほど,
IT投資による効果を得ている。