IEC 第226回研究会 (2009年2月8日) 議事録案

文責:石川高行

■出席者

米田・河野・梶木・石井・中村(民)・石川・工藤・中村(州)・福田・岡本・野部・江見・中西・中條・西本・矢島

■諸会連絡

時間がないため、BBS へ投稿を

・3/1 13:00〜 KCG Awards (優秀卒論の発表会)

・JSiSE 学生発表 3/7 関学梅田 sattelite で
 (締め切り金曜だが、件数不足のためよい学生がいればぜひ)

■書籍紹介

『東大式絶対情報学』
『「インド式」インテリジェンス』

■中條道雄 IEC 記念誌報告「情報教育 2.0」

Q:USA の高校で情報教育は昔から必修なのか
A:いいえ。そのため Model Curriculum が提唱された。しかし文部科学省の学習指導要領とは位置づけが違うので、州や場所によって教育内容がかなり異なる。また、教員免許は州毎の扱いであり、全国統一ではない。

Q:様々な topics を授業に組み込んでいる例を知りたい。
A:Project-Based 科目がまさにこれに該当する。
発表者以外の意見:Chicago 大学の教員が「高校生に modeling を教えている」という話もこれと思われる。
A:computer science を専攻する女性は少ない。日本でも状況は似ている。

Q:USA は都会が少ないように思われる (大部分が田舎)。だとすると、一般市民に IT を使いこなす需要が少ないのではないだろうか。実際はどうか。
A:その通り。しかし州毎に test 実施などで高校への締め付けはある (落ちこぼれを出さない運動、など)。また、学区での成績平均などは公表されている。

Q:情報科学、情報教育は英語で何と言うか。(informatics など)
A:教科「情報」の英訳を決める時に苦労した。
Q:computing という言葉は computer がなくても成り立つ概念なのか。
A:成り立つ。
他の参加者の意見:概念設計ではないだろうか。

comment:GB では graph 電卓を使っている。graph 電卓を使ってどのように指導するのか、という書籍もある。日本にはその発想自体ない。

■中西祥彦 IEC 記念誌報告 白紙を用いた workshop

Q:最初の例、52+47 は、どうして 52 だけ 100 の補数にしたのか。
A:別に 52 に限らず、何でもよい。

Q:算数 (加減乗除) の原理を知らない低学年児童に教えていいのか。そうすると算数の原理も分からなくならないか。
A:最初は、できない子をできるようにするにはどうするか、ということから。その後、こういうやり方もどうか、という提案。
Q:負の数が分かっていないと難しい。
A:そういう面もある。
comment:unplugged の考え方。

■福田真規夫 IEC 記念誌報告「情報教育のリストラクチャリング」

comment:私 (質問者) の大学でも laptop PC の貸し出しを4年間やって失敗。持たせるだけでは意味がない。1年次ではそれなりに使うけど上級学年になるに従って使わず、卒業研究で久しぶりに使う。PowerPoint が使われていない、とい う点も共通性があるのではないか。学部の教育全体の中でどう使わせていくか、という戦略がないと難しいのではないか。
A:国立大学2期校くらいだと殆ど必携。今は PDA を検討している。

Q:PC literacy の演習を癒しの時間ではなくより高度なことを学びたい学生はいるのか。そういう学生がいるから演習が選択制になっているのか。また、履修者が集まりにくい選択科目の内容が学生に知られていない可能性があるのではないか。
A:確かに分かりにくい。だが、文部科学省に提出する際に「Word」「Excel」などと書いてしまうとその通りやらなくてはいけない、という制限が出る。

Q:PC 必携の前に、全ての部屋に端子がある、という環境がいるのではないか。無線 LAN も。
A:どこでも使えるようにするためには3000万円くらいかかる見込み。
comment:K工大では1年次学生全員に20万円程度のものを買わせている。ただ、食堂では食事時間帯は作業禁止。毎日持ってくるので、3年次には 1/3 くらいが故障。3万円くらいの netbook への買い 替えも多い。この程度なら大学から配布も検討しやすいのではないか。
comment:4年間使うとなると、4年間使えないといけない。東芝や SHARP あたりの機種に動作保険。300人(台)の学生に対し20台の代替機を用意したが、運用 cost は大きい。本体が重いと学生は持ってこな い。
comment:PC を持ってきたら本を持ってこなくてよい、という状態じゃないと難しい。 

■野部緑「教科『情報』における情報活用教育について」

comment:KJ 法を学校で実施した、と言うと裁判に巻き込まれる可能性あり。「KJ 法」は川喜田研究所の登録商標。

Q:資料として配布された表の 1〜10 (知的能力部分) は学習指導要領には全くない項目。教科書会社は知的能力部分も入れようとしているのか。
A:学習指導要領には文言は全くない。高校では求められていないのかもしれない。

Q:ワープロ検定の例は、何級か。2級くらいになると、単に入力できるだけではだめ。 
A:全商では単に入力できるだけでかなり対応できる。日商にはそういう面もある。

Q:fluency は、一言で言うとどういうものか。
A:生きる力。この言葉自体、あまり定義されていないが。

■江見圭司 SkyDrive について

comment:差しさわりのないものを upload していく、という形で試してみてはどうか。 
comment:files に password をかける、という方法はどうか。

・2009年3月から試行
・発表者が「upload してもよい」としているもののみ
・本格的に採用するかどうか、は後日の判断を待つ必要あり
・upload する files には password をかける (掲示板と一緒)